日本人に最も馴染みのある魚の1つが金魚です。お祭りや縁日では「金魚すくい」が行われ、誰でも1度は金魚を飼ったことがあるのではないでしょうか。
今回は、そんな金魚について少し深掘りしてみます。改めて金魚の特徴や種類、寿命、価格について知ると面白いですよ!
金魚とはどんな魚?

まずは金魚の基本的な情報について紹介します。
- 学名:Carassius auratus
- 原産:中国
- 種目:コイ目コイ科
- 体長:300mm前後に成長
金魚は淡水魚で、英語では「Goldfish」と言います。身体の色は、皆さんご存じのように赤色のものが多いです。また、名前の通り金色(黄色)の種類、黒一色、紅白柄、黒赤白の3色柄の種類もいます。
金魚の生息環境

屋外の池で飼育される場合もあるように、金魚は比較的幅広い温度で生息できます。しかし、水温が1桁になると動きが鈍くなり、だんだん冬眠モードに入ります。逆に水温が30℃弱程度になると体力が消耗し、弱ってしまいます。
金魚が元気よく泳いでいる姿を常に見たい場合は、水温を20℃~25℃くらいに保ちましょう。また、水槽内で大きく育てたい場合は、熱帯魚用のヒーターの利用がオススメです。
金魚の飼育方法

金魚は比較的丈夫なので、金魚鉢など簡易的な容器でも飼えます、しかし、金魚は丈夫で飼いやすい魚である一方、水を汚しやすい魚です。そのため、金魚鉢などで飼う場合は、頻繁に水換えをしましょう。
手入れの回数を減らしたい場合は、水槽内にろ過器を設置し、なるべく多量の水で育てることがオススメです。金魚1匹につき、2L以上は確保したいところです。
肉食魚の活き餌

金魚は安価で大量生産できるため、肉食魚の活き餌としても売られています。ホームセンター等でも活き餌用にまとめ売りされているので、たくさんの金魚を飼いたい場合はエサ用の金魚を買うのもアリです。
先祖返り
金魚を飼育していると、「先祖返り」によって巨大化したり色が薄くなったりする場合があります。
先祖返りとは、金魚が、祖先であるフナに戻るように見えることです。金魚はもともとフナを品種改良されて作られた種です。そのため、遺伝子の中にフナの情報があります。
金魚の中には、このフナの性質が顕著に表れ、フナくらい大きくなったり、色がフナに近づいたりする個体もいます。
様々なバリエーション

金魚には、品種改良で生まれた様々なバリエーションがあります。見た目が変わった種類だと、出目金やピンポンパールが有名です。次の章では、金魚の代表的な種類を紹介します。
代表的な金魚の種類

金魚には、身体が流線型のものから丸いもの、ヒレの形に特徴のあるものや目が飛び出たものなど、様々な種類があります。
ここからは、金魚の代表的な種類を紹介します。
和金(ワキン)
和金は、金魚の原型ともいえる種類です。多くの人が金魚と聞いて思い浮かべるのは、和金なのではないでしょうか。
和金の身体は流線型で、見た目はフナに似ています。身体は比較的丈夫で、体調も15cm以上に育ちます。
身体の模様にもバリエーションがあるので、どの金魚を飼うか悩んだら和金を選ぶと良いでしょう。
小赤(コアカ)
小赤は、金魚の中でももっともポピュラーな種類の1つです。価格が安いため、金魚すくいや肉食魚の生餌としても使われています。
小赤は名前に「小」という漢字が入っていますが、実はちゃんと育てると大きくなります。
長く飼育していると、ボディが丸いフナのようなしっかりとした姿に育ちます。身体がどんどん大きくなるので、育てがいがある種類です。
小赤については「小赤の寿命はどのくらい?長生きさせるポイントを紹介」でも詳しく紹介しています。
コメット
コメットも流線型の身体の金魚です。同じ流線型の和金と比べると、ヒレが長いのが特徴です。
コメットも身体は丈夫な種類で、普通に飼えば5年、大切に育てれば10年以上は生きてくれます。
琉金(リュウキン)
琉金は、長いヒレと少し丸い身体が特徴です。和金や小赤、コメットと比べると、少し優雅な見た目です。
琉金には、「赤琉金」「更紗琉金」「桜琉金」「飯田琉金」「キャリコ琉金」など、様々な種類があります。
身体的な特徴とすると、身体が少し丸い分、強い水流などは苦手です。また、和金など流線型の金魚から追いかけられることもあるので混泳には注意しましょう。
出目金(デメキン)
出目金は、その名の通り目が飛び出した金魚です。体色は赤や黒のものが一般的で、金魚すくいでも景品になっていることがあります。
品種改良が重ねられた種類なので、和金や小赤と比べると身体は強くありません。また、飛び出した目は傷つきやすいので、水槽内のレイアウトには注意が必要です。
ピンポンパール
ピンポンパールは、ピンポン玉のように身体が丸い金魚です。
見た目が可愛いので人気がありますが、その分、価格も高い種類です。
また、身体が丸いので泳ぎは得意ではなく、品種改良が重ねられた種類なので丈夫ではありません。飼育の際は転覆病などに注意しましょう。
金魚の寿命はどのくらい?

金魚の寿命は長く、和金やコメットなど原種に近い種類は10年以上生きます。中には20年以上生きる個体もいるので、飼育する際は長いお付き合いになることを想定しましょう。
一方、出目金やピンポンパールなど、品種改良が重ねられた種類の寿命は短く、出目金やピンポンパールは5年程度です。出目金はピンポンパールは、和金などに比べると尾病気になりやすいことも寿命が短い一因です。
金魚すくいの金魚はすぐ死んでしまう?

金魚すくいで掬った金魚はすぐに死んでしまうイメージがありますが、適切な処置をすれば長生きしてくれます。
金魚すくいの金魚がすぐに死んでしまう原因は「疲労」です。狭い場所で長時間移動したり、少ない水に大量の金魚がいたりして、身体が疲れ切っています。
そのため、金魚すくいの金魚には、まずは「休息」を与えましょう。
お祭りから帰ったら、大きなバケツ(10L程度が望ましい)に1匹ずつ金魚を入れて、4日程度静かな場所で放置します。この時、エサは与えません。金魚の消化器官は未熟なので、エサを与えると疲労回復の妨げになるためです。
このように十分な休息を与えることで、金魚すくいの金魚でも長生きしてくれます。
金魚はいくらで買える?

金魚の値段は、種類によってピンキリです。
小赤であれば、大型魚の生餌として2,000円で100匹程度購入できます。
和金は1匹100円~200円、コメットや琉金、出目金は1匹500円~1,000円程度です。
ピンポンパールなどの品種改良種は、1,500円程度の場合もあれば、希少な個体は10,000程度することもあります。
金魚は日本文化と深くつながった魚

この記事では、金魚の特徴や種類、寿命、価格について紹介してきました。
金魚には色や形によって様々な種類がいるので、自分の状況にあった種類を購入しましょう。
金魚すくいで小赤を手に入れたら、まずはバケツで休憩させ、元気になったら水槽に移しましょう。本格的に魚を飼いたいと思ったときは、琉金やコメットを買ってみると育てがいがあります。
お祭りの金魚すくいや日本庭園の池など、日本文化に金魚はつきものです。それぞれの場所で金魚を楽しんでみてください!