水質悪化の仕組みをメダカのプロが解説!アクアリウムにおける水質管理とは

水質悪化の仕組みをメダカのプロが解説!アクアリウムにおける水質管理とは

編集部:今回は、メダカのプロ「太陽メダカ園」の社長様に、メダカ飼育(アクアリウム)における水質悪化についてお聞きしました。

水質の悪化とは、水槽内で水中の浄化サイクルが正常に機能していない状態を指します

水質が悪化するとメダカにもその他の生体にも悪影響があるので問題です。

水質悪化が原因でメダカが病気になったり死亡したりという話はよく聞きますよね。

今回はなるべく分かりやすく、水質悪化のメカニズムからお話しして行きます。

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水質悪化の要因は「アンモニア」「亜硝酸・硝酸塩」「ph値」「富栄養化」の4つ

水質悪化の主な原因は、ザックリ4つに分けられます。

  • アンモニアの濃度の上昇
  • 亜硝酸、硝酸塩の蓄積
  • ph値の変動
  • 富栄養化

これらのどれか、または複数が、水質悪化の原因です。

アンモニアの濃度上昇

まずは1のアンモニアの濃度上昇の仕組みです。

有機物から発生するアンモニア。

硝化バクテリアのニトロソモナスがアンモニアを餌として亜硝酸に分解して行きますが、アンモニアの量とニトロソモナスのバランスが上手く取れていないと、アンモニアが大量に検出される様になります。

そうすると、生体はアンモニア中毒で死亡してしまいます。

亜硝酸、硝酸塩の蓄積

ニトロソモナスが順調に繁殖すると、亜硝酸が作り出されはじめます。

すると今度は、亜硝酸を餌とするニトロバクターが増え始めます。

ニトロバクターは亜硝酸があって初めて増え始めるため、どうしても繁殖するまでにある程度の日数が必要です。

その後順調にバクテリアが増え始めると、硝酸塩が増える様になります。

ここから先、水質を管理するためには水交換しかありません。

硝酸塩の量を水交換によってリセットするか、水草等を入れて対応します。

亜硝酸や硝酸塩は、アンモニアが分解する事によって順番に生成される物質です。

アンモニアよりは毒性は低くなりますが、水槽内に溜まって行くと生体にも徐々に悪影響を与えます。

放置すると硝酸塩が蓄積し、水質が酸性に傾き続けます。

ph値の変動

ph値が大きく酸性やアルカリ性に傾くと、生体の健康不良に繋がります。

ニトロソモナスやニトロバクターなどのバクテリアがアンモニアを亜硝酸⇒硝酸塩と分解しても、最終的に硝酸塩は水槽内に残ります。

すると水質は酸性になる(ph値が小さくなる)ので、早目に水交換をするようにします。

ペットショップでph値を測るアイテムを売ってますので、時々チェックしてあげましょう。

富栄養化

富栄養化。

これは水中の栄養素が多すぎる状態を言います。

主にエサのやり過ぎや、水草を入れてる場合の肥料のやり過ぎなどが原因で起こります。

水が白く濁ったり酸欠が起きたりしてメダカの生活環境が悪くなるため、富栄養化も水質悪化のひとつです。

一般的にグリーンウォーターも良いとされてますが、濃くなり過ぎると酸欠状態でメダカが死亡します。

また、植物性プランクトンが大量死した場合は一気に水質悪化が進むので、グリーンウォーターの濃度もそこそこにしておきましょう。

水質悪化の確認方法

メダカの今の水槽の中での状態を観察してみましょう。

例えば、アンモニア濃度が上がってくると、メダカは上下への激しい泳ぎ方をします。

また、水面に顔を出してパクパクしてる時は酸欠か亜硝酸濃度の上昇などが考えられます。

容器の下でジッとして動かない時や、エラやヒレが閉じている時も何かしらの体調不良の時が多い様です。できるだけph値のチェックをしてあげられるといいですね。

飼育容器内の水質は定期的に確認しましょう

水質悪化のサイクルの中で何処か1つでも上手く機能していないと、浄化サイクルのバランスが崩れて物質の過多が起こります。この状態が水質悪化です。

硝酸塩の様な弱い毒性の物質によって徐々に水質が悪化した場合、メダカなどの丈夫な魚はその水質に耐えられるために変化を見せず、ある時一気に全滅!なんて言うこともあります。

飼育容器内の水質は定期的に確認してあげてください。

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