アカヒレ(別名:コッピー)は、身体が丈夫で初心者でも簡単に飼育できる熱帯魚です。アクアリウムで水槽を立ち上げる際、最初に入れる魚(パイロットフィッシュ)としてアカヒレを選ぶ方も多いでしょう。
アカヒレはアクアリウム初心者からアクアリウム愛好家まで、幅広い層に愛されています。
この記事では、そんなアカヒレの特徴や種類、寿命、価格を紹介します。
アカヒレとは?基本的な情報を紹介
まずはアカヒレの基本的な情報を紹介します。
- 原産:中国
- 分類:コイ科タニクチス属
- 体長:2cm程度(最大でも4cm程度)
アカヒレは、コイ科に属する淡水魚です。
「アカヒレ」という名前の由来は、特徴的な尾ビレの赤色からきています。原産地は中国ですが、開発などの影響で姿を消し、野生種は絶滅に近いと言われています。
アカヒレの体長は最大でも3〜4㎝程度で、体色は褐色がかった銀白色をしています。特徴的な赤い尾びれを持ち、身体を尾から頭に貫くように線が入ています。 メスは腹部が膨らみ、丸みを帯びているのも特徴です。
身体が丈夫で水質への適応力が高いため、飼育方法のバリエーションの豊富さに定評があります。
アカヒレは環境への適応力が高い
アカヒレの特徴は、水質に対する適応力の高さです。アカヒレは弱酸性~弱アルカリ性までの幅広い水質に対応でき、水道水でも生活可能ともいわれています。(そうは言っても、実際に飼育する際は絶対にカルキ抜きをしてください。)
アカヒレは熱帯魚のイメージもありますが、原産国が中国ということもあり、実は温帯魚です。そのため、同じ温帯である日本に生息しているメダカのように、低水温に耐えられます。
また、酸欠にも強く、飼育や繁殖が比較的容易なため、観賞魚以外に実験生物などとしても飼育されています。日本国内でも安価で大量に流通しているため、アクアリウム初心者が始めて飼う魚としてもオススメです。
アカヒレは動物質でも植物質でもよく食べる雑食性で、何でもよく食べます。
アカヒレは丈夫で安価であることから、金魚やメダカなどと並び、肉食魚用の餌に使われることも多いです。大量生産できる面からもアカヒレは安定的に供給できる餌としても評価されています。
アクアリウム初心者にとってのアカヒレ
アカヒレはアクアリウムでの飼育難易度が低く、観賞魚飼育の入門種的存在です。
コップの中でも飼えるくらい上部ということで、「コッピー」の名称で瓶の中に入れて販売されていることもありまう。「コッピー」とは、「コップでも飼えるグッピー」のことです。
アカヒレは古くから飼育の手軽さが注目されて、アイディア豊富な鑑賞がされてきました。
アカヒレの若魚は縦条が青い光沢を帯びるため、まだネオンテトラの価格が高く一般庶民には手が出せなかった時代には、ネオンテトラの代用として飼育されていた歴史もあります。
その当時は「プアマンズネオン」や「貧乏ネオン」と呼ばれて親しまれました。
アカヒレには観賞用改良品種として、長くヒレを伸ばした「ロングフィン」タイプや、黄色い体色をした「ゴールデン」タイプも存在します。
水槽ではパイロットフィッシュとしても活躍し、水質維持に欠かせないバクテリアの生成などに一躍買っています。生命力や汎用性の高いアカヒレは、丈夫で飼いやすい観賞魚の代表格です。
フィンスプレッディング
アカヒレの性格は基本的には温厚ですが、成熟したオス同士では「フィンスプレッディング」と呼ばれる、ヒレを広げた威嚇行動を取ることがあります。
フィンスプレッディング(Fin Spreading)とは、フィン(ヒレ)をスプレッディング(広げる)という意味で、ヒレを広げて威嚇しあう行動の事です。
オス同士が縄張り争いで威嚇し合ったり、オスがメスに求愛する時などで、ヒレをめいっぱい広げて行います。
一般的にはオス同士で行われることが多いですが、場合によってはメス同士でも行うことがあります。
フィンスプレッディングは見応えがありますが、フィンスプレッディングのやりすぎはアカヒレのストレスにもなるので注意しましょう。
ベタがヒレを広げて行うフレアリングも、アカヒレのフィンスプレッディングと非常によく似た行動です。
ベタのフレアリングについてはこちらの記事で詳しく紹介しています
アカヒレの種類
ここからは、アカヒレの種類について紹介していきます。
ノーマルアカヒレ
アカヒレでもっとも一般的な品種です。通称「コッピー」とも呼ばれています。
熱帯魚店やホームセンターで、1匹100円未満という安価で入手できる魚です。観賞魚、肉食魚の餌、パイロットフィッシュといった多くの用途で重宝されています。
名前通りの赤いヒレが特徴で、見た目はメダカに似ていることから親しみやすく、ペットとして広く愛されています。
ロングフィンアカヒレ
ロングフィンアカヒレは、優雅で長く伸びた赤いヒレが特徴の品種です。
ロングフィンアカヒレには、「東南アジアタイプ」と「ヨーロッパタイプ」の2タイプがあります。東南アジアタイプは、スッキリした形のヒレと綺麗な赤色が特徴的です。ヨーロッパタイプは、濃い赤色とやわらかな曲線のヒレが特徴です。
ゴールデンアカヒレ
ノーマルアカヒレの突然変異個体がゴールデンアカヒレです。
金色の体色に目の周りが青く光るのが特徴です。尾ビレやエラ部分には赤色があり、成長とともに黄色の体色は濃くなります。完全に成長すると黄金色に見えるようになります。
ベトナムアカヒレ
ベトナムアカヒレは、その名の通りベトナムで発見された新種です。
ベトナムアカヒレはノーマルアカヒレよりも少し小柄で、身体に黒いラインがあるのが特徴です。
東南アジア原産のため、他のアカヒレよりは低水温には弱く水温に注意が必要です。
ベトナムアカヒレは熱帯魚なので、低温に弱く最低でも20℃くらいの水温が必要となります。冬場はヒーターを準備しましょう。
アカヒレの寿命はどのくらい?
アカヒレの寿命は小型の魚のため3年ほど、長くても4年ほどと言われています。ちなみに、グッピーの寿命は約1年〜2年、めだかの寿命は3年〜4年くらいと言われています。
しかし、中には、1年程度で死んでしまうケースや、4年以上も生きているケースがあります。飼育時の環境や水質、餌などで、寿命が長いか短いかは決まります。アカヒレは丈夫な魚ですが、大切に飼育すればそれだけ長生きしてくれます。
アカヒレの価格はどのくらい?
繁殖が簡単なアカヒレは、大量生産されています。そのため、金額は安価でまとめ買いが出来ることが多いです。ロングフィンアカヒレだけは数千円近い場合もありますが、ほとんどのアカヒレは100円未満で購入可能です。
アカヒレ(ノーマル) | 50円~ |
ゴールデンアカヒレ | 70円~ |
ロングフィンアカヒレ | 400円~ |
ベトナムアカヒレ | 200円~ |
アカヒレはアクアリウム初心者にオススメな魚
この記事では、アカヒレ(コッピー)の特徴や種類、寿命、価格を紹介してきました。
アカヒレはアクアリウムで飼育する魚の中でも特に丈夫さに長けており、コスパに優れた熱帯魚です。
熱帯魚のような美しいフォルムでありながら温帯魚に属するため、低温環境でも飼育できるのも大きな魅力です。
様々なタイプの水質に適応でき、繁殖が簡単で病気にも強いので、観賞用だけではなくパイロットフィッシュ等にも用いられます。
温和な性格で相性が良い魚の種類が多いので、混泳も楽しめます。テラリウムのような環境でも難なく生きています。
アクアリウム初心者は、まずはアカヒレから飼い始めてみてはいかがでしょうか。