テトラの種類20選|ネオン・カージナルから混泳の注意点までわかる選び方

テトラの代表的な20種類を、色彩、飼育の取り組みやすさ、水温の目安、群れでの性質、混泳時の注意点から比較します。ネオンテトラ、カージナルテトラ、グリーンネオンテトラ、ブラックネオンテトラをはじめ、初めて水槽を整える際に確認したい水質管理、匹数、病気を防ぐ観察の要点も解説します。

公開 2022-07-04 更新 2026-09-16

テトラは色だけでなく「群れ・水質・相手」で選ぶ

テトラは、小型で発色のよい熱帯魚として親しまれている仲間です。ネオンテトラの青と赤のラインはよく知られていますが、青緑が静かに光るグリーンネオンテトラ、赤い鼻先が印象的なラミーノーズテトラ、黄色味を帯びるレモンテトラなど、見た目も性質もさまざまです。多くは穏やかな群泳魚ですが、すべてが同じ条件で飼いやすいわけではありません。

選ぶときは、好みの色に加えて、安定した水質を必要とするか、同種を何匹そろえられるか、先住魚と大きさ・泳ぐ速さが合うかを確認します。メーカーの飼育資料では、テトラは6匹以上の群れで飼うと落ち着きやすく、装飾のある水槽で本来の色を見せやすいとされています。1 1匹ずつを多種類入れるより、気に入った一種または少数種をまとまった数で泳がせるほうが、群泳の魅力を観察しやすくなります。

以下の表の水温は、熱帯魚水槽を管理する際の一般的な出発点です。種・入荷個体・繁殖個体か野生採集個体かによって適した水質は異なります。たとえばネオンテトラは20〜26℃、カージナルテトラは23〜27℃の記録があり、両者を同じ魚とみなして条件を決めることはできません。2 価格もサイズ、入荷量、産地、地域で変わるため、固定額では示していません。

種類 色・姿の特徴 水温の目安 飼育の目安 群れ・混泳の注意 流通と価格の傾向
ネオンテトラ 青い側線と後半の赤 24〜26℃ 初めてでも選びやすい 同種を5〜6匹以上。小型の温和な魚と 比較的見つけやすい
カージナルテトラ 赤線が体の後方まで伸びる 24〜26℃ 水質が落ち着いた水槽向き 同種の群れで。急な水質変化を避ける 流通量・価格は変動
グリーンネオンテトラ 青緑の細い光沢 24〜26℃ 水槽が安定してから 小型なので大きな魚との混泳は避ける 入荷状況で変動
ブラックネオンテトラ 白い線と黒い線の対比 24〜26℃ 選びやすい 同種の群れ。落ち着いた魚と 比較的見つけやすい
ダイヤモンドネオンテトラ 銀色にきらめく体色 24〜26℃ 水質を安定させて飼う 近い大きさの温和な魚と 品種名・価格は店により異なる
レモンテトラ 淡い黄色と目元の色 24〜26℃ 選びやすい 隠れ場所と群れを用意する 比較的見つけやすい
ロージーテトラ ふっくらした体形と赤味 24〜26℃ 相手選びに注意 小型魚を追わないか観察する 取り扱い・価格は変動
グローライトテトラ 体側の橙赤色のライン 24〜26℃ 選びやすい 同種をまとめ、与えすぎない 比較的見つけやすい
ラミーノーズテトラ 赤い頭部と尾びれの縞 24〜26℃ 水質管理に慣れてから 群れで映える。体色の変化を観察 入荷・価格は変動
レッドファントムテトラ 赤味のある厚い体形 24〜26℃ 水槽が安定してから 雄同士の関係と混泳相手を観察 取り扱い・価格は変動
種類 色・姿の特徴 水温の目安 飼育の目安 群れ・混泳の注意 流通と価格の傾向
アルビノ・ネオンテトラ 白〜淡色の改良品種 24〜26℃ 飼育環境を安定させてから 体調の観察を丁寧に行う 品種・状態で変動
エンバーテトラ 橙赤色の小型種 24〜26℃ 小型水槽でも群れを優先 大きく活発な魚とは組み合わせない 比較的見つけやすい
ブラッドフィンテトラ 赤いひれと銀色の体 24〜26℃ 選びやすい 泳ぐ場所を確保する 比較的見つけやすい
ブラックスカートテトラ 黒い帯と大きめのひれ 24〜26℃ 相手選びが必要 長いひれの魚へのちょっかいに注意 比較的見つけやすい
セルパエテトラ 赤い体と黒い斑紋 24〜26℃ 混泳経験がある方向き 少数飼育ではひれをつつくことがある 比較的見つけやすい
レッドアイテトラ 赤い目元と銀色の体 24〜26℃ 選びやすい 成長後の遊泳量を見込む 取り扱い・価格は変動
エンペラーテトラ 紫青色の体と黒い線 24〜26℃ 水槽が安定してから 雄の関係を見ながら群れを保つ 取り扱い・価格は変動
ペンギンテトラ 斜めに見える黒い側線 24〜26℃ 落ち着いた環境向き 群れで泳ぐ空間を確保する 取り扱い・価格は変動
プリステラテトラ 透明感のあるひれと黒黄の模様 24〜26℃ 選びやすい 温和な小型魚と組み合わせやすい 比較的見つけやすい
ブエノスアイレステトラ 銀色で活発、赤いひれ 22〜24℃を含め要確認 水温・遊泳量を確認して選ぶ 小型魚や柔らかい水草との組み合わせに注意 取り扱い・価格は変動

青く光る代表種:ネオン、カージナル、グリーン、ブラックネオン

ネオンテトラは小型群泳魚の基本になる種類

ネオンテトラは、青い光沢のあるラインと赤い体色で水槽に明るい印象をつくる代表種です。原産地では南米ソリモンエス川水系のブラックウォーターまたはクリアウォーターの支流に見られ、魚類データベースでは5匹以上、最小60cm水槽での飼育が示されています。2 成魚の大きさだけで水槽を選ぶのではなく、群れが向きを変えながら泳ぐ前面の空間を残すことが大切です。

カージナルテトラは赤線の長さと水質への配慮が特徴

カージナルテトラはネオンテトラによく似ていますが、赤いラインが体のほぼ全長に及ぶ点が見分ける目安です。中層を群れで泳ぐ性質があり、5匹以上、最小60cm水槽という飼育目安も記載されています。3 一方、メーカーの資料ではカージナルテトラは、より軟らかく酸性寄りの水と、十分に立ち上がった水槽で管理するほうが取り組みやすい種類とされています。1 初めての水槽へ急いで加えるより、ろ過が働き、水質が安定してから群れを迎えるほうが安全です。

グリーンネオンテトラは静かな青緑を群れで楽しむ

グリーンネオンテトラは赤が目立たず、青みを帯びた緑のラインが水草や暗めの底床によく映えます。小型のため、同じ水槽に入れる魚が口に入らない大きさか、強い水流を好む魚に追われないかを確認します。4匹だけで済ませるより、可能な範囲で群れの数をそろえ、隠れられる植栽と開けた遊泳場所の両方を設けます。

ブラックネオンテトラは落ち着いた配色で混泳水槽になじむ

ブラックネオンテトラは、淡い線と黒い側線のコントラストが特徴です。派手な青赤系を主役にしすぎず、落ち着いた群泳を見せたい水槽に合わせやすいでしょう。ネオンテトラ、グリーンネオンテトラといった似た大きさの魚を一緒にする場合も、それぞれの種が群れとして行動できる数を確保します。

ダイヤモンドネオンテトラは名称と個体の状態を確認する

ダイヤモンドネオンテトラは、ダイアモンドネオンテトラとも表記され、銀色に光る見た目が魅力とされる種類です。同じような名称の改良品種や近縁種が扱われることもあるため、購入時には学名や成魚の大きさ、適温を販売元に確認します。品種名だけで飼育条件や価格を決めず、到着直後の個体の体形、ひれ、泳ぎ方を観察することが重要です。

黄色・赤・透明感で選ぶテトラ

レモンテトラは淡い黄色の体色と、ややしっかりした印象の体形が持ち味です。落ち着いて休める水草や流木の陰を用意すると、ほかの温和な小型魚と組み合わせやすくなります。グローライトテトラは橙赤色のラインが魅力で、メーカーも初心者が選びやすい候補の一つに挙げています。1 ただし、どのテトラも餌を多く与えれば健康になるわけではありません。食べ残しは水を汚し、体形の維持にも影響するため、量を決めて与えます。

ロージーテトラとレッドファントムテトラは、丸みのある体と赤味を楽しめる仲間です。ロージーテトラはほかの小型魚との力関係に、レッドファントムテトラは導入後の体調に目を配ります。ラミーノーズテトラは赤い鼻先と縞模様の尾びれが群れでそろうと印象的ですが、水質の変化や混泳のストレスを避けたい種類です。白点のような異常がないか、体色が急に薄くなっていないかを日常的に観察します。

アルビノ・ネオンテトラのような淡色の改良品種は、原種と同じ名前の一部を含んでいても、状態や流通名に幅があります。迎える前に、個体が十分に泳げているか、ひれを閉じていないかを確認します。エンバーテトラ、プリステラテトラ、ブラッドフィンテトラはそれぞれ異なる色合いを持ちますが、小型魚の水槽では「色の種類を増やす」より、適正な群れと余裕のある水量を優先します。

活発さやひれへの干渉に注意したい種類

ブラックスカートテトラ、セルパエテトラ、レッドアイテトラ、エンペラーテトラ、ペンギンテトラ、ブエノスアイレステトラは、体の大きさや泳ぐ速さ、仲間内の関係をよく見て選びたい種類です。テトラの多くは平和的ですが、セルパエテトラは群れが少ないとひれをつつくことがあります。また、ブエノスアイレステトラは活発で大きくなりやすく、小さく臆病な魚を圧倒することがあります。1

混泳では「テトラ同士だから大丈夫」とは限りません。長いひれを持つ魚、極端に小さい魚、泳ぎが遅い魚を同居させると、追い回しや採餌競争が起きる場合があります。導入直後は餌の時間と消灯前後を観察し、特定の個体が隅に追い込まれていないかを確認します。相性の問題が見られたら、隔離や組み合わせの見直しを検討します。

テトラを元気に飼う水槽づくり

水槽は立ち上げてから、まとまった群れを迎える

熱帯魚用の水槽はヒーターと温度計を備え、水温を急に上下させないことが基本です。動物福祉団体RSPCAは、一般的な熱帯魚水槽の目安として24〜26℃、最低水量50Lを示しています。4 ネオンテトラとカージナルテトラについては、魚類データベースで最小60cm水槽という目安も示されています。2 実際に必要な大きさは、成魚の体長、匹数、混泳魚、ろ過能力で変わります。小さな容器に数を詰め込まず、遊泳空間と水質の余裕を優先します。

新しい水槽では、ろ材にすむ硝化細菌が有害なアンモニアをより害の少ない硝酸塩へ変える循環が整うまで時間がかかります。アンモニア、亜硝酸、硝酸塩を試験し、立ち上げ後の最初の6週間は2〜3日ごとにアンモニアと亜硝酸を測るという管理方法が紹介されています。4 目安としてアンモニアは0.1ppm未満、亜硝酸は0.2ppm未満を維持できる状態を確認してから、魚を一度に増やしすぎないようにします。4

ろ過・水換え・餌は「急に変えない」

フィルターは水をこすだけでなく、ろ材の細菌が働く場所でもあります。ろ材を洗うときは水道水ではなく抜いた飼育水を使い、すべてを新品に交換しないようにします。水換えは週に10〜25%程度の部分換水と底床の掃除を基本に、カルキを中和した新しい水の温度をできるだけ合わせます。4 水が澄んで見えても、検査を省かないことが大切です。

餌は小型魚用のフレークや粒餌を中心に、魚が2分以内に食べ切れる量を1日1〜2回に分ける方法が案内されています。1 食べ残しは取り除きます。食欲がない、底や水面で不自然にじっとする、ひれを閉じる、白い点が出るといった変化は、水質、病気、混泳ストレスを確かめるきっかけになります。

迷ったら「一番きれい」より、長く維持できる条件を優先する

もっとも美しく感じるテトラは、水槽の照明、底床、背景、群れの大きさによって変わります。青と赤の鮮やかさを中心にしたいならネオンテトラやカージナルテトラ、静かな光沢ならグリーンネオンテトラやブラックネオンテトラ、暖色ならレモンテトラやグローライトテトラが候補になります。

ただし、発色のよさだけで選ばず、すでに水質が安定しているか、同種を群れにできるか、先住魚との相性を保てるかを順に判断します。初めてなら、状態のよいネオンテトラ、ブラックネオンテトラ、レモンテトラ、グローライトテトラなどを一種に絞り、飼育記録を取りながら水質管理に慣れる方法が現実的です。水槽が安定した後に、より繊細な条件を好むカージナルテトラやラミーノーズテトラへ幅を広げると、テトラそれぞれの色と群泳を無理なく楽しめます。

参考資料

  1. Aqueon: Tetras Care Guide
  2. FishBase: Paracheirodon innesi (Neon tetra)
  3. FishBase: Paracheirodon axelrodi (Cardinal tetra)
  4. RSPCA Australia: How should I care for my tropical fish?